KON’S TONE?「千年女優」への道KON’S TONE?「千年女優」への道
今 敏

晶文社 2002-09-01
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11月に入ってから、この本が売れました。人間というものは元々業が深いとか言いますけれども、ふるもの屋というのはほとほと業の深い、因果な商売だと思います。才能や運命(のようなもの)に恵まれた「他のヒトたち」が生み出したものを自分や世間の評価に基づいて、自分の店先に並べてお金に換えています。そしてそれを強く感じるのは、それに関わったものや人間に何か事件が起こったときです。

私は、今敏という方を「パプリカ」という映画で初めて知りました。そして観終わった後にはすっかり虜になっていました。悪夢の行列にはものすごく感動したもんです。その後は、今までの全てというわけではないのですが、彼の「パプリカ」以前の作品を鑑賞し、未だ制作中という次回作を楽しみにしていました。もちろん過去の作品も彼らしさがきちんと存在し、楽しく観ることができたのですが、過去、ではなく同じ時間で観られることを楽しみにしていました。そんな作品があと何本か存在するはずだと信じきっていました。しかし、8月の終わりにその楽しみは絶たれた形になりました。同じ時間を過ごしていればそういうこともありうると知っているはずなのですが、忘れちゃうもんです。ちょうど8月の初めにはWOWOWで「パーフェクトブルー」を放映していたのを観て、次回作が恋しくなっていたところでした。

ウチの在庫には彼の作品も何点かあり、「その後」にその全てが速やかに売れていきました。私としては、楽しみにしていた次回作がいよいよ上映される、というタイミングで売れることを期待していたのですが。在庫がなくなった後も彼のものはぽつぽつと仕入れています。今回紹介したのは、そんな商品の中のひとつです。

この本の中には自己紹介みたいな文章があるんですけれども、その中の家族紹介にペットでプレーリードッグのコタンがいます、という一文を見つけ、ものすごく親近感が沸きました。それから、この表紙のウサギさん(彼が描いた自画像のようなものなのですが)、ホント彼にそっくりでびっくりします。